“野毛山”?“天国”?『アルペンジロー』でどこに登る?
2013年7月4日
※ この記事は以下の特集取材時のWeb加筆版になります。
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『アルペンジロー』。その店名からは、およそカレー専門店とは想像がつかないですよね。
“ジロー”は、同店の独特のカリーを産み出した、代表取締役の沼田治郎さんからとられたもの。
では“アルペン”は?
沼田さんは、昭和46年から『アルペンジロー』の開店前まで、群馬県は尾瀬のスキー場でロッジを経営していたのだそう。
その当時の面影やおもてなしの心が、山小屋風の外観から内観に今も息づいているのだ。
カレーとともに供されるご飯は、飯盒で。ワインは水筒で出てくるなど、粋な演出も楽しい。
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そして、例の“野毛山”から“天国”のお話。
すべてのカレーで辛さをチョイスできるのだが、そのネーミングがまたしても遊びごころ満載である。
取材前、はじめてお邪魔した時に隣の先客が「キリマンジャロで」とか言っていたのには、
「いきなり食後のコーヒーの話!?」と驚いたものだ。
かく言う私は「エベレスト」から登頂したのだが、
誌面でも紹介した通り辛さを売りにした味ではないので、それほど辛いとは思わなかった。
その後「天国」にも挑んだが、これも辛くてどうにもならないというものではなかった。
「自分の辛さっていうものが、一番良いみたいですね。美味しさが倍加するんです」と沼田さんがおっしゃっていたが、
それを見つけるのもまた楽しみなのかもしれない。
常連さんの中では、「エベ天(エベレストと天国の間)」とか「W天国」といった
裏メニューならぬ“裏山”に登っている人も多いようだ。
私自身は、甘く感じるかな?と思いつつオーダーした「富士山」こそ、
『アルペンジロー』の魅力を最大限に楽しめるものだと、今のマイブーム的に思っている。
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具のメニューリストは、こんな感じ。
はじめて食べた「若鶏」から、いまだに浮気していない。
どうにも他の食べ物になってしまう気がして、挑戦できずにいる。
気持ち的にもお財布的にももっと大きな人間になって、いろんな具に挑んでみたいという野心は、
男たるもの大切にしたい。
ただ、個人的にどうしても譲れないのが、「席」。これはカウンターが良いんです。
カウンターはオープンキッチンになっていて、選んだ具はここでシェフが調理してくれる。
人気店ゆえに、大概お店は混んでいることが多いが、
ゆったりとした大きめなアンティーク調の椅子に腰掛け、
カリーの香りやフランベされる音を目の前で感じていると、その待ち時間もまた楽しい。
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粋な演出ということで言えば、店を出る時のこと。
店員さんが「ありがとうございました」ではなく「お気をつけて〜」と言うことがある。
沼田さんいわく、「日々の日常やそのしがらみの中で頑張っているお客様に、
一瞬でもその俗世間を忘れて、ただただ美味いって感じてほしい」という思いが込められているのだ。
「毎日を頑張って、また来たい」
そう思えるお店ができた喜びを感じられるのが、『アルペンジロー』である。




